アメリカ合衆国における商標制度

日本とアメリカでの商標制度の大きな違いは、日本が「登録主義」を採用しているのに対して、アメリカは「使用主義」を採用しているということです。

日本が採用している「登録主義」とは、使用の有無に関わらず、審査を通過すれば登録を認めるという主義です。ただし、全く使用しなくていい、というわけではありません。明らかに使用する様子がない場合には、拒絶理由が通知されることもあります。また、登録から一定期間使用の痕跡がない場合には、不使用取消審判で取り消される可能性もありますので、使用することが前提となっている登録主義です。

一方でアメリカが採用している「使用主義」とは、実際に使用されている商標を保護するという考えで、使用していることが登録の条件となります。ですので実際に使用している場合は、出願時から審査終了時までの間に、使用証拠を提出しなければなりません。また、現在使用していないが使用の意思がある場合には、登録査定後6月以内に、商標の使用を開始したという宣誓書と、使用証拠を提出しなければなりません。使用証拠を提出する期間は、登録査定から、最大で3年間延長することができます。

マドプロ出願で、米国を指定している場合は、ユーザーフレンドリーの観点から、「商標が使用されていることを宣言する陳述書」の提出により、使用の証明となりますので、使用証拠の提出は必要ありません。

また登録後においても、日本と商標制度とアメリカの商標制度は大きく異なります。アメリカの場合は、登録から5年目から6年目の間、登録から9年目から10年目の間(以降10年ごと)に、実際に使用しているという証拠を提出しなければなりません。日本においても、継続して三年以上日本国内において使用されていない商標は、不使用取消審判により取り消される可能性があるのですが、実際に審判を請求をされないことも多く、不使用商標が多く存在しているのが現状です。

保護対象の違い

アメリカの商標制度では、文字や図形、立体的なものの他に、音響や香りなども商標として登録が認められています。 日本でも、近い将来、音響商標が登録を認められるようになります。